母乳で育てないと母親失格?生後1~2ヵ月の授乳
母乳育児が軌道に乗ってくると言われる生後1〜2ヶ月。
私はこんな悩みがありました。
- できれば母乳で育てたいけど母乳量が増える気配がない…
- 頻回授乳にしたら完全母乳に移行できる?
- 母乳で育てないと母親失格なの?
- 授乳の時間が辛い…
私が出産した産婦人科では、「なるべく母乳で育てましょう!」と母乳育児を推奨する産婦人科でした。
産前から母乳育児を進められていたので、できれば母乳で育てたいなと思っていましたが、実際はなかなか母乳が出ず苦戦しました。
今回は、本当に母乳で育てないといけないのか、生後1~2ヵ月の授乳の体験談も合わせてご紹介します!
母乳が出る仕組み
母乳は血液で作られています。
赤ちゃんがママの乳首を吸うと脳が刺激され、「プロラクチン」というホルモンが母乳を作るように指示を出し、血液で母乳が作られます。
さらに「オキシトシン」という母乳が出るよう促すホルモンが分泌されます。
つまり、頻回授乳をするほどプロラクチンやオキシトシンの分泌を向上させ、母乳を作る機能が高まるのです。
母乳育児のメリット
母乳育児の赤ちゃんにとってのメリットとママにとってのメリットをご紹介します。
赤ちゃんにとってのメリット
- 欲しいときにいつでも飲める
- 欲しい量だけ飲める
- 母乳の免疫物質が赤ちゃんに移行するため、病気や感染症になりにくい
- 消化吸収がいい
- ママとのスキンシップが取れる
ママにとってのメリット
- 産後直後は子宮収縮を促進し、出血量が減少しやすい
- お金がかからないので経済的
- 赤ちゃんとのスキンシップが取れる
母乳神話は本当?
「母乳神話」とは、「赤ちゃんは母乳で育てなければならない」という考え方のことです。
人によっては以下のようなことを言われるようです。
- 母乳で育てないと母親失格
- 母乳は赤ちゃんに免疫を与えられるので病気になりにくい
- 母乳は赤ちゃんの腸内環境が良くなる
- 母乳の方が赤ちゃんとの信頼関係が作られる
母乳神話は本当なのでしょうか?
確かに母乳神話も一理あります。
ただすべてが正しいわけではありません。
私は子どもを混合栄養→完全ミルク→卒乳しましたが、1歳になったわが子は非常に元気に育っています!
保育園に行き始めてから病気しまくりでしたが、それは完全母乳で育てられているお子さんも一緒でした!(保育園の洗礼はみんな受けます)
子どもとの信頼関係もできています!(と私は思っている…)
あくまでも私の個人的な意見です。
私は母乳があまり出なかったので、混合栄養や完全ミルクで行ってきた自分の育児や授乳方法が間違ってないんだ!と良いように捉えるようにしています。
いろんな意見があって当然で答えはないので、自分が気持ちよく育児ができる考え方、納得できる考え方を信じて育児方法を選択するのがいいと思います。
ミルク育児のメリット
ミルク育児の赤ちゃんにとってのメリットとママにとってのメリットをご紹介します。
赤ちゃんにとってのメリット
- ビタミンのバランスが良い(母乳はビタミンKが不足しがち)
- 消化吸収が遅く腹持ちが良い
ママにとってのメリット
- 授乳量が数字でわかる
- 産後すぐに職場復帰したいママや母乳がなかなか出ないママでも授乳できる
- ママ以外の誰でも授乳できる
- ママの体調が悪く薬を飲まないといけない時も授乳できる
粉ミルクは、赤ちゃんが成長するために必要な栄養がしっかり含まれており、完全に母乳の代用品として使うことができます。
混合育児でも完全ミルクでも、全く問題はありません!!
私は数字で管理がしたかったことと、ミルクで授乳する方が時間が短縮できるので、ミルクで育児ができて良かったと思っています。
では実際に、混合栄養で育ててきた生後1~2ヵ月の体験談をご紹介します。
生後1ヶ月の授乳
「その他」の欄に哺乳量を「母乳/ミルク(/搾乳)」の形で記入しています。
小児科の1ヶ月健診は問題なく終わり、体重増加も順調との診断でした。
2週間検診で助産師さんに「体重増えすぎ!」と怒られたことがトラウマになっていたので(関連記事:母乳とミルクの混合育児ってどうするの? 新生児期の授乳)、ドキドキしましたが、順調だったのでホッとしました。
1ヶ月健診の際に小児科の先生から、母乳+ミルクの全体の哺乳量を徐々に増やしてみてもいいかもというアドバイスをいただきました。
また、母乳の後にミルクを作るのが大変だったため、1回の授乳で母乳のみまたはミルクのみという風に交互にしてみました。
(誰に教えられた訳でもないのですが、自分が楽な方法にしました…)
新生児期は、母乳+ミルク=80mLくらいになるように調整していたので(関連記事:母乳とミルクの混合育児ってどうするの? 新生児期の授乳)、母乳の回+ミルクの回=100~120mLになるようにしました。
※搾乳機はレンタルが終わったので母乳とミルクのみになりました。
1ヶ月後半からは母乳神話に少し引っ張られたこともあり、「やっぱりもう一回母乳でがんばってみようかな…」という気持ちになってきたので、1回の授乳で母乳+ミルクどちらもあげるようにしてみました。
ただ、やはり母乳量は増えないので、今までと変わりなくミルクを足していく形になりました。
先ほどの母乳が出る仕組みで説明したように、母乳育児を軌道に乗せるには頻回授乳が重要だったんだと身をもって経験しました。
助産師HISAKOさんの動画が非常に勉強になるので、参考にしてみてください。
授乳の辛さ
赤ちゃんがおっぱいを飲んでいる姿は本当に可愛いですが、私は辛いと思うことも多々ありました。
- 授乳中は何もできない
- 授乳の姿勢が悪く、肩こりが悪化する
- 授乳中イライラしてしまう
- 憂鬱な気分になる
このような悩みを持たれているママさんは少なくないと思います。
授乳にストレスを感じる「不快性射乳反射(D-MER)」という病気もあるようです。
赤ちゃんがおっぱいを飲む時に、「オキシトシン」という母乳が出るよう促すホルモンが分泌されますが、さらにこの時、ドーパミンを下げる働きのある「プロラクチン」も一緒に分泌されます。
ドーパミンは、快感を得る、意欲を感じるなどの働きをするホルモンで、「不快性射乳反射(D-MER)」はドーパミンが下がることで不快に感じてしまう現象です。
私自身は不快になるほどではなかったのですが、「もしかしてこれD-MERかも?」と思われている方は、母乳外来や助産院に相談されることをおすすめします。
生後2ヶ月の授乳
「その他」の欄に哺乳量を「母乳/ミルク」の形で記入しています。
母乳量は体重計のレンタルが終了して測れなくなったので、「+」で記入しています。
赤ちゃんが生後2ヶ月になり、なぜか急に夜通し寝てくれるようになりました。
私としては夜しっかり寝られるようになって非常に助かりました…
寝る赤ちゃん、寝ない赤ちゃん、本当に個人差があるのだと思います。
夜しっかり寝るようになり、1日の授乳回数が8回から6回に減ったので、ミルクの量を増やし、母乳+ミルク=120~140mLになるようにしました。
母乳量は体重計のレンタルが終了して測れなくなったので、 これまでの傾向からミルクを80~100mL足すことにしました。
生後2ヶ月後半になるとまた夜中に起きるようになったので、授乳回数が6→7回に増えました。
夜中眠い中での授乳が辛かったので、試しに添い乳を試してみました。
添い乳とは、ママと赤ちゃんが体を横たえたまま授乳を行う姿勢を言います。
寝たまま授乳できるので、夜中眠い中起きて椅子に座って授乳する手間はなくなり、楽な姿勢で授乳ができます。
私は胸が小さい方でしたし、母乳もあまり出なかったので、添い乳はうまくできませんでした…
添い乳がうまくできる方は体勢も楽ですし、おすすめだと思います!
ただ赤ちゃんを窒息させてしまうリスクもあります。
夜中ははママも眠い状態で行うので、気づかぬうちに寝てしまい、力が抜けて赤ちゃんに覆いかぶさってしまう…という危険があるので要注意です。
まとめ
今回は、生後1〜2ヶ月の授乳についてご紹介しました。
- 赤ちゃんがおっぱいを吸うと母乳が生成される
- 母乳神話も一理あるが、ミルクでも元気に育つ!
- 完全母乳にしたい場合は頻回授乳がポイント
- 授乳が不快になるD-MERの場合は専門家に相談する
- 添い乳がうまくできる方は体勢が楽なのでおすすめ
ミルクで育児されていて、周りから「母乳あげないの?」と聞かれて、嫌な思いをされている方も多いと思います。
母乳で育てるか、ミルクで育てるかは、子どもの成長には関係ありません!
大事なのは、ママが楽に、笑顔で育児ができるかどうかだと思います。
次回は、混合栄養から完全ミルクにするやり方と、生後3~4か月の授乳について体験談をお伝えします。
関連記事:混合栄養から完全ミルクにするやり方は?生後3~4か月の授乳